未来世紀ブラジル

未来世紀ブラジル

1985年イギリス。近未来SF映画。
20世紀の架空の都市の統治社会を描いている。
 
以前から名前は知っていたが、まともに観るのは初めて。
何と言っても創造豊かな近未来の描き方がシュールでいい
 
街や部屋には「ダクト」が基本。
政府の人間はとにかく書類にサインを求める。
食事はムース状になった流動食みたいな感じ。
 
注目したのは使用されているパソコン
タイプライターの様なキーボードに、ブラウン管むき出しの様なディスプレイ。
それに拡大レンズみたいなものを嵌めて大きく見えるようにしてある。
 
何気に映画が製作された1985年では今では当たり前のインターネットも無く
構内ネットワークすらまだ一般に普及などしていない時代じゃなかろうか。
そんな時代に、主人公がを端末を使用してサーバーからお目当ての女性の
個人データを検索している姿は興味深かった。
 
他にも、人々の描き方も皮肉な感じで実にいい。
レストランで食事中に爆破テロがあり、吹き飛ぶ人々。
しかし、主人公たち一行は特に気にすることもなく食事を続ける。
まるで我関せず。
 
床磨きのマシンで清掃中の女性の周りで銃撃戦が起こっていても、
女性は気にすることなく掃除を続ける。
彼女の関心は銃撃戦よりもむしろ彼らが床を汚すことの方が強いようだ。
 
上映された当時にリアルタイムで観るのと、
今になって観るのとではまた味わいが違うと思うけど、
シュールで楽しめる作品だと思う。