イット・フォローズ

「イット・フォローズ」

付き合ってた彼氏と性行為を終えた直後、突然妙な告白を受ける。
「落ち着いて聞いてくれ。今から誰かがお前を殺しにやってくる」
しかも、その「誰か」は知らない人の姿をしている時もあれば、良く知ってる人の姿をしている時もある。
現れる時は、必ず徒歩でゆっくり近づいてくる。そしてどこまでも追いかけてくる
助かる条件は一つ。誰かと性行為をして相手にうつす事。するとターゲットはその相手に移る。
しかし、その相手が死んでしまうと、再び自分がターゲットになる。
そんな奇妙な説明を受けた直後、気味の悪い全裸の女性が二人の前に現れた。
その奇妙なゲームの幕が切って落とされたのだ。
 
 
こういった呪い系のホラーにはルールが付き物。
本作のルールの注目点としては「性交渉で相手に移る」
そして「相手が死ぬとターゲットが戻る」と言う点。
理由も話さずに知らない誰かと性交渉をしたとしても、その相手がこのルールをよく理解していないと、
その誰かは訳も分からず殺されて、再びターゲットが自分に戻ってしまう事になる。
なので、うつす時には相手にそのルールついて説明し、良く理解して貰わないと意味が無い。そこがポイントだ。
 
この手の話は、話の展開として段々とルールを理解していく、もしくはキーとなる人物に会えてようやく教えて貰える。
というのがセオリーだが、本作では序盤でそれを説明して貰える。その点、じわじわ度がなく話はスピーディだ。
しかも、「相手はゆっくり近づいてくる」ということが分かっているので、時間も稼げ、対策も練り易い。
ルールが鮮明だけに「ああしたらいいんじゃないか」「こうしたらいいんじゃないか」と視聴者に思わせる事ができ、
「自分ならこうする」的な思考をさせられるのはいい傾向だと思う。
何が起こっているのか分かり辛く、意味も分からない殺戮シーンが繰り返されるだけのB級がありがちな中、
こういった透明度の高いB級ホラーは、これはこれで評価できると思う。
 
 
 
〜若干のネタバレ〜
ただ先程「呪い系ホラー」とは言ったが、作品を観ていて気づくと思うけど、襲ってくる敵は霊的な感じではない。
どちらかというとプレデターみたいな宇宙人?みたいなそういうテイスト。つまり物理攻撃が有効という事。変わってるね。

そして、こういうのはクライマックスとオチが肝心だと思うけど、その辺はB級らしさを忘れていない。
一番の盛り上がりを見せれる場面なのに結構雑でグダグダ。その辺もさすがB級。